移住編

工務店探しと改築プラン

移住先と家が決まったので、次は工務店探しと改築プランの作成です。県内の日本家屋を改築した実績のある工務店を探し概算の見積もりを取って決めました。工務店は案外早く決定しました。

改築プランは私たち家族だけでなく妻の両親も関わってきますのでかなり練り直しました。何回作り直したかわかりません。また、新築であればある程度自分たちの思い通りにできますが、改築となると間取りを変えることで急に工事費が跳ね上がることもあるので、慎重に議論しました。この改築プランは工事中も細かな修正を繰り返していくことになります。

この改築で私たちは建築士を雇いませんでした。雇うと設計料というものが発生し、料金上乗せになるので自分たちでやることにしました。また、妻の父親は住宅設計の経験は無いものの建築士だったので、良いアドバイスが貰えるだろうということで建築士とは契約せずに設計を進めました。

キッチン設計と銘木市への参加

建築士を雇わなかったので、ある程度設計は自分たちでやるしかありません。キッチンもその一つで雑誌や本を調べて理想のキッチンをイメージします。そんな中で千葉県出身の建築士である中村好文氏の著書に出会います。その本ではこれまで中村氏が設計したキッチンが惜しげもなく公開されています!しかもカッコいい!この本は大いに参考にさせて頂きました。

キッチン製作にあたりもう一つやりたかったことが、木の天板でした。すごく扱いが難しそうですが、その存在感にすごく惹かれる木の天板。

木の天板についてネットの情報を色々探った結果、やってみたい!と思うようになりました。そしてやるなら一枚板でやりたい。が、すごく高そうだし、どこで買えるのかという疑問が湧いてきました。工務店に聞いても恐らくすごい値段が返ってきそうということで、思い浮かんだのが実家の父親でした。

そう言えばテーブル用に欅の板を買ったりとか、用途不明の一枚板が実家の工場に置いているのをみたことがあります。父に聞いてみると、それは銘木市と言われる木の競市場のようなところで買ったようです。

興味深い。。。

どうすれば参加できるの聞くと免許だか許可証だかを持っていれば参加できるが今はもう持っていないとのこと。「参加したいなら知り合いの大工さんに聞いてみたろ」ということで聞いてもらうと一緒に参加してもらえるとの返事が。こうして岐阜県で開催された銘木市に初めて参加することに。

参加した銘木市には様々な樹種、大きさの木が巨大な倉庫の内外に並べられていました。大きなものでは直径1mを超える欅が横たわっていました。国産が多かったですが一部は台湾の木も置かれていました。様々な木が置かれているので、木の勉強には最適です。栃の木の光沢や木目の複雑さに驚き、楠の良い香りにこれが虫から服を守ってくれるんだな〜と思いに耽ります。

しかし、私が探してるのはキッチン天板になる木。樹種は狙いを決めていました。それはウォルナット(胡桃の木)です。密度が高く水に強そうだし、強度は申し分なし、色味も良し。これしかないということで競りが始まる前に天板に使えそうなウォルナットを見繕って順番を待ちます。ここで恐ろしいのが競りが始まるまでに正確な開始価格がわからないということです。木に値段は書いていません。しかも競りなので上限もわかりません。ドキドキして順番を待ちます。

そしていよいよ順番になり威勢よく開始価格が叫ばれます。

私は思いました。

高っ!!

そう思っているうちに買い手無しで次の木に流れていきました。どうしよう、、、と思いながらもせっかく来たんだしその金額で買おうと運営の人に相談に行きました。するとその木を出品している方と直接話ができ買うことができました。

しかも!父が一足早い住居祝いということで太っ腹にも購入費用を出してくれました。

父ちゃん。。。感動

書き終わって思いましたが、なぜこんなにもキッチンの天板について書いたのでしょうか、、、

とにかく印象に残る体験でした。今でも木の天板に手をスリスリして気持ちいいな〜と思っています。

工事開始と移住

2022年3月の改築完了に向けて2021年の11月から工事が始まります。本当に終わるのか?という不安を抱えながらでしたが、その頃はまだ東京に住んでおり、日々状況を確認できる状況ではありません。ほぼ毎週末東京と佐倉市を行き来する生活が始まりました。

この頃は平日は仕事、週末は工務店と5時間超の打ち合わせ、そして東京から佐倉市への移動と大変な時期でした。

そして案の定、年明けの打ち合わせにて工務店から3月中に終わりませんと伝えられました。

ですよね! 

で、どうするの?ということでどうすれば工期を短縮できるか打合せ→状況確認→再度計画修正を繰り返しながらも一向に工期が縮まる気配がない中引越しの時期を迎えます。

工事現場で寝る生活

引越し後は工事完了までに程遠い改築中の家に我々家族の居場所はなく、妻の両親の居住スペースに住まわしてもらう事になりました。小さい子もいるということで、本来両親が寝ている部屋とベッドを使わせてもらい生活することになりましたが、流石に申し訳ないので、寝るスペースだけでも優先して作ってくれと工務店に依頼し、4月になって工事現場の一角に仮の畳が敷かれ、そこが我々家族の寝間になりました。

ノコギリや釘が床に放置されていましたが、それでも自分たちの寝床ができたことは嬉しかったです。

ひたすら塗りまくる日々

少しでも工事完了を早めるために、自分たちでもできそうな作業は自分の手でやりました。素人でもできそうな作業ということで外壁塗装、漆喰塗り、床や家具への蜜蝋塗りをしました。

漆喰塗りは平滑に塗るのは難しいですが、ラフに塗るのであれば素人でもできます。しかし、結構しんどいです。特に天井の漆喰塗りはめちゃくちゃしんどかったです。一部屋は頑張りましたが、他の部屋はプロにお願いしました。

塗った漆喰壁はいずれ汚れてくるかもしれませんが、この経験があると修復が自分たちでできるので良い経験になったと思います。

工事完了 新たな課題へ

工事開始から10ヶ月。やっと工事が終わりを迎えました。

家の工事は一応の終わりを迎えましたが、工事が終わると今度は家の周りのことが気になり出します。家の周りは竹に囲まれており、さらにその周りはほぼ管理できていない雑木林が広がっています。

私は思いました。今の人員でこれを管理することはできない、、、

この木の利用方法を探さないと、、、 そしてこの木を伐って使ってくれる人は、、、

そんなことを考えている中で生木木工に出会い今に至ります。

長文・乱文でしたがこれがウッドギア研究所の誕生話になります。お付き合いありがとうございました。これからもウッドギアの製作を通じて皆様に情報を発信していきますので、よろしくお願いします!

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